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2008-03-31 23:22 | カテゴリ:雑記
ジャンル:日記 テーマ:日記
本棚の整理が終わらない。

掃除を始めてもう2日目だ。
2日まるまる続けているわけではないが、それでも自室の本の量に呆れてしまう。

部屋の本が多いというのは、沢山読んでいるという自慢にはならない。
それは頭の中に残った知識やアイディアによって初めて自慢していいものだと思う。
と思いつつも処分できないのは、つまり僕が整理下手だという、ただそれだけのことだ。

良い本は残し、それ以外は捨てる。案外、これは難しい作業だ。
「残すべき」と断固として譲らないもの以外は捨てようと決めたのだが、一般的に有名だった本や、昔読んだ懐かしい本が出てくると、「残すべき」ではなくても「残してもいい・・・かな?」と、心の中の誰かが甘い誘いをかけてくる。決心が揺らぐ。

専門書の類はまだそこまで多くないから整理は簡単(というか、捨てても良いほどには、どれも読み込んでない) 新書は知的財産の少ないものだと、バサバサ捨てられる。ライトノベルはキノの旅とフルメタの後期刊のみ残し、後は処分。文庫は途中で断念したもをは処分。シリーズものはとりあえず残す。世界文学も残す。ジュブナイルも残す。ハヤカワSFも残す。残す残す・・・あれ、ほとんど残ってしまった。

難しいのはハードカバーの小説群と、集めに集めた児童書と、大量の漫画達。嵩張り本棚のスペースを食ってるのがこれら3種類。
ハードカバーは捨てづらい。素敵な装丁のもの、見栄えが良いものは内容が頭に残っていなくても残したくなってくる。頑張ってその衝動を抑え、綿矢りさ「蹴りたい背中」市川卓司「いま、あいに行きます」他多数を、しぶしぶ捨てる。梨木香歩、灰谷健次郎は全作品残す。ファンなので仕方がない。

選り分けに難航しているのが、漫画だ。
僕の本だらけになった部屋を見て、父は「とりあえず漫画を全部捨てろ!」と怒っていたが、馬鹿野郎、漫画をなめるな。漫画だってすごいんだ。(と言って、また怒られた)
漫画はぜひ残したい。けれど、余暇に楽しむ程度のものはやはり、売ってしまった方が効率的だ。
現在大量の漫画群の中から以下のものは全巻残すことに決めた。

・幸村誠「プラネテス」「ヴィンランド・サガ」
・五十嵐大介「魔女」「海獣の子供」
・山岸涼子「舞姫テレプシコーラ」
・村枝賢一「RED」
・森薫「エマ」
・宮崎駿「風の谷のナウシカ」
・山田章博「ロードス島戦記」
・小箱とたん「スケッチブック」

ストーリーの秀逸なものもなのは言わずもがな、絵が独特で、丁寧なものが残った。
何故か「スケッチブック」を残すことに疑問はない(笑)
んで、捨てるに捨てられない。どうしようと頭を悩ましているのがこちら↓
・とよ田みのる「ラブロマ」
・津田雅美「彼氏彼女の事情」
・井上雄彦「バカボンド」
・二ノ宮知子「のだめカンタービレ」

漫画としての面白さは申し分なく、いつ読んでも楽しめるものばかり、名作揃いだ。捨てるなんておぞましくすらある。しかし、「ずっと残す」ということを考えると、漫画はその性にはあまり合わない。どれも惜しくて捨てられないが、残すべき本なのかは疑問が残る。うーむ。
・・・保留。(ぉぃ

そして児童書。
「ハリー・ポッター」は名訳すぎて捨てられない。
「ウルフ・サーガ」は文庫版とハードカバー版(←絶版)2種類あるにもかかわらず、捨てられない。
エンデの本はでかいものばかりで嵩張るが、やはり捨てられない。
サトクリフなんて勿論捨てられない。
魔女宅もゲドもその他多数も。
結局、一冊も捨てられなそう。ああ・・・あ!「ダレン・シャン」は処分することした。楽しい作品だけども。

と、こんな感じだ。
しばらく自室は本の森と化している。
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2008-03-30 14:58 | カテゴリ:レビュー(漫画)
ジャンル:アニメ・コミック テーマ:漫画の感想
スケッチブック 第5巻 (栗原先輩が表紙です。やったね!)

 作者は小箱とたんさん。とある高校の、美術部員達の日常を描く4コマ漫画。
 第5巻には150の美術部エピソードと、3篇の猫漫画が収録されています。

 4コマではなく普通の漫画が、しかも猫達メインのものが3篇も収録されているのは初めて。
 「出張版」での猫が好評だったからか、はたまた猫好き作者が本性が表してきたのか、猫達に割くページ数が多い5巻です(笑)

 また、4巻から始まった幕間スペース「端書スケッチブック」が良い感じです。本編4コマで登場したスケッチブック雑学が、ピックアップされて登場。若干、栗原先輩の蘊蓄まとめのきらいがありますが、栗原ファンとしては有り難い企画です。

 今回新しく登場する人物はいませんが、その分既存のキャラクター達が「らしさ」を出しています。
 鳥飼さんの倹約精神や空のまったり具合は一層味が出てきました。神谷先輩のトンデモ発明や涼風コンビの奇怪行動は輪をかけてひどくなってきました(笑) 栗原雑学は言わずもがな。
 150中5エピソードしか登場しないオオバ先輩も、それはそれで「らしさ」ですよね。

 次巻はいつ出るのでしょうか。既刊を味わいながらも、すでに楽しみです。
2008-03-29 10:08 | カテゴリ:レビュー(漫画)
ジャンル:アニメ・コミック テーマ:漫画の感想
君に届け 6

千鶴の想い人である龍の兄、徹が帰ってきた。
しかし、なんと徹には結婚を決めた女性がいて――

 
 作者は椎名軽穂さん。直球青春漫画「君に届け」第6巻です。
 空振りに終わってしまった千鶴の初恋。愚痴さえこぼせずカラカラと笑う千鶴に、爽子とやのはどうすればよいのか分からず悩みます。
 気持ちの持って行き場を失った千鶴を救ったのは、やはり龍。

 「こうなってよかった」とズバリ言う龍に、千鶴は「失恋するために好きになったんじゃない」と憤慨します。堰を切ったように痛みを龍にぶつける千鶴に対し、一歩も引かず受け止める龍。そして、もう一度徹と千鶴を引き合わせます。
 自分の想いよりも千鶴の気持ちを第一に考えてしまう無骨な思いやりに感動しました。

 徹に向かって「俺もそう思うんだ」と笑う龍は、一見の価値ありです。
 今回は爽子と風早ではなく千鶴と龍がメインの巻ですが、純愛直球の面白さは健在です。

 なにやら男共がかっこ良すぎる「君に届け」
 でも、恋愛漫画は理想を体現してこそ王道ですよね。お薦め。
2008-03-26 10:54 | カテゴリ:レビュー(漫画)
動かなくなった彼の前で
いつまでも泣きやまない私に 子供達が最初にしてくれたことは
私を笑わすことだった

(本文より)

「毎日かあさん~出戻り編~」

毎日かあさん4 出戻り編


 山梨から帰省した姉が、漫画を薦めてきた。姉はうちに帰ってくるたび弟に漫画を読ませるという、変な癖がある。そして、そうやって薦められた本に今までハズレはほとんんどない。
 今回は西原理恵子さんの「毎日かあさん~出戻り編」 毎日新聞にて毎週日曜連載中の「毎日かあさん」の4巻目だ。うちは毎日新聞を取っているから、この漫画は馴染み深い。けれど毎週欠かさず読んでいるわけじゃないし、まして単行本として手に取るのは初めてだった。

 「泣けるよ」と僕に貸す姉。バカ、そんな簡単泣くはずないだろう。ましてそんなこと言われてから読むんじゃ、余計泣きたくはない。絶対泣いてやるか。
 と、思ったのだが。



 涙が止まらなかった。


~でも彼はたった一人でこの病気と戦い続け 立派に帰って来ました。
「ただいま」
「おかえり」
でも ガンもやって来ていました。
(本文より)


 一度離婚した夫が西原宅に戻ってくるこの巻。勘違いして欲しくないのは、「毎日かあさん」の主人公はあくまで子供たちであり、夫のことは深くは触れられていない。病気のことも。

 でも、時たまこぼれる一言が、やせ我慢する作者の心中を色濃く映し出してしまう。

 結婚して、育児をして、毎日を過ごす。
 そこには、これだけの激しさがあるのか。これだけの思いやりがあるのか。

 すごい、と思った。

 夫との別れが来るラスト10ページ。心を打ったのは悲しみではなく、子供たちの優しさだ。
 家族ってすごい。ありきたりだが、すごい、すごいと思って、涙が止まらなかった。
 一度、読んでみてほしい。

 
 姉に漫画を返そうとしたら「ね、泣けた? 泣けた?」と嬉々として聞いてくる。
 それは、聞くなよなぁ(笑)

 もし人に薦める時は、ぜひとも黙って貸してあげて欲しい。
2008-03-25 23:13 | カテゴリ:雑記
 今日、山梨県都留市に出かけた。姉が大学卒業なので、アパートを引き上げるからだ。
 引越しの荷造り、積み込みは午前中に大方終わったので、お昼を食べた後少しだけ都留文化大学の周りを散策することにした。
 大学から数百メートル先に、一軒の古書店を発見。思わず入った。

 白髪で恰幅の良いおばちゃんがレジに座っている他、女子大生らしきお客が一人いるだけ。静かだった。結構良い本が揃っており、古書独特の日焼けした紙の臭いが、小さな古書店いっぱいに広がっていて、なんだかドキドキした。
 何冊か買いたくなってしまったのだが、引越しに来たのに荷物を増やしてもしょうがないと諦め、姉のアパートに戻った。

 すべての引越し作業が終了。大家さんに挨拶をしに行くというのでついていく。すると、なんとさっきの古書店だった。先ほどのおばちゃんと仲良さそうに話す姉。
 姉はまだ寄るところがあるらしかったので、僕はその古書店で時間を潰すことにした。
 店内をぶらぶら歩いていると、おばちゃんがニコニコしながら僕に飲み物を持ってきてくれた。
 桃味のホットカルピスだ。

 カルピス1杯だが、おばちゃんのことが一気に好きになってしまったので、色々話をした。
 昔は沢山の学生が足を運んでくれたが、今は見る影もないこと。
 大学で使う本が仕入れても、毎年毎年と変わっていき、同じ本が何冊も溜まってしまったこと。
 息子さんはこの本屋を継ぐ気がなさそうなこと。
 姉が大学4年間、この本屋に、本だけでなく夕飯さえお世話になっていたこと(!)
 最後に、本屋とおばちゃんの家を繋ぐ渡り廊下を見せてもらった。本棚にぎっしりと全集や同じ名前の本が置かれていた。「もう使い道もない本だよ」とカラカラ笑うおばちゃんが印象的だった。

おばちゃんと本
(渡り廊下いっぱいに詰まれた本とおばちゃん)

 結局、本を購入。昭和36年発行、講談社版の「レ・ミゼラブル」(ユゴー)を買った。あの大作が1冊にまとまっている、といえばどれくらいの嵩張り具合かは想像していただけるだろう。とはいえ、講談社版は読んだことがなかったから欲しくてたまらなかったのだ。衝動に負けた!
 どでかい「レ・ミゼラブル」には「1000円」と値札がついていたのに、おばちゃんはそれをとってしまい、なんと500円で売ってくれた。豪快で気前の良いばあちゃんである!
 他にも復刊前の「エルリックサーガ」やケルト神話の本(僕の趣味)が数冊安価で置いてあったが、さすがに「レ・ミゼラブル」を500円で買った後にはこれも買います、とは言えなかった。

 古書店にはあまり足を運んだことがなかったのだが、案外いいもんだと思った。良い買い物ができたし、素敵な人に出会えた。
 ちなみにここのおばちゃん、91歳。後で姉から聞いてびっくりした。
2008-03-24 18:34 | カテゴリ:レビュー(小説)
からくりからくさ

作者は梨木香歩さん。

以前一度挫折した作品。どうしても諦められず、再度挑戦してみた。

古い日本家屋に住み込む4人の女性達の生活模様を描く。
この作品の前身には同著「りかさん」という作品がある。主人公・蓉子(ようこ)と彼女が祖母から譲り受けた市松人形「りかさん」との、奇矯な交流を描いた作品だ。なんとこの「りかさん」は蓉子と会話することができるのだが、本著「からくりからくさ」ではりかさんの魂はどこかを旅していて、その帰りを蓉子が待ち望んでいる、という冒頭から始まる。
りかさんの秘密を、唯一共有できた祖母が亡くなり、りかさんも喋らなくなった。
「りかさん」と地続きの物語でありながら、「からくりからくさ」は前身の要素をほとんど欠失させることで1作品としての独立性をも確固たるものにしている。

祖母の住んでいた日本家屋を、女子学生のアパートとして使うことになり、そこに機織を学ぶ紀久と民族模様を学ぶ与希子、外国人留学生マーガレットが、蓉子と共に住み込む。

作品のテーマは「繋がり」である。
血縁や文化の繋がり。理解や共感、怒りや怨念、願いや祈りの繋がり。4人の、対照的な性格やそれぞれの生き方が紡ぎだす重なりを通し、衝突と共有を繰り返しながら、物語は4人をある邂逅へと導いていく。
作品で描かれる全ては、いなくなったりかさんが蓉子たちの元に戻り、そしてまた旅立つまでの大きな流れに織り成された一つ一つの模様だ。色彩であり、その連なりでもある。4人の邂逅はりかさんにとっての新しい旅の一歩であり、蓉子達の世界でのそれは、一つの命の終わりと始まりとして描かれている。

要素の取捨選択により鮮鋭化された、点としての物語ではない。
これは、人が生きる流れそのものを表そうとした作品なのだ、と思う。


しかし物語を大局的に捉えようとすることは、「からくりからくさ」を語る上では無粋なことなのかもしれない。
結局、この作品の魅力は、それぞれの人物や歴史が絡まってできた模様一つ一つにあり、また、4人の女性が持つ力強さとしなやかさ、成長していく過程の中にこそ、見出せるからだ。
梨木香歩さんはエッセイ「ぐるりのこと」や「春になったら苺を摘みに」にて、他者の持つ人生と自分が重なり合う瞬間をいとおしむように綴っている。

共感してもらいたい
つながっていたい
分かり合いたい
うちとけたい
納得したい

私たちは
本当は
みな
        
               (新潮社「春になったら苺を摘みに」より)

紀久、与希子、マーガレット、蓉子の中に流れる温かい営みは
作者自身が持つそれであり、以前よりも繋がりが希薄になったと嘆かれる、現代人へのメッセージのようでもある。
僕が「からくりからくさ」を諦められなかったのは、この作者の人生にどこかで「つながっていたい」と、思ったからかもしれない。
DeleteFilesAtRebuild 1
2008-03-23 01:14 | カテゴリ:レビュー(エッセイ)
ジャンル:小説・文学 テーマ:読書感想文
ゴトー式口説きの赤本 (講談社プラスアルファ文庫)ゴトー式口説きの赤本 (講談社プラスアルファ文庫)
(2004/12)
後藤 芳徳

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 ネタ本です。でも、本当にモテるかもしれない実践本。侮ってはいけない!(多分!)

 作者は後藤芳徳さん。風俗店を経営し上場させた、まさにその道の実力者。
 この本には、「こうすればモテる」という鉄則のようなものは書かれていません。「なぜモテないのか」という自己分析から始まります。モテない男はどうしてモテない? それを自ら実感して、始めて次のステップ、つまりモテる男になれるというわけです。

 モテない男の最たる原因として日常生活における女性との会話不足をあげています。
 モテる、モテない以前に、相手の言動に注意しない、自分をうまく伝えられないという根本的な問題です。対女性アガリ症をどうしたら治せるのか、後藤さんが示す対処策はなかなか荒療治なのですが、どれもが説得力のあるものでした。
 例えば「良い人はやめなさい」と言うものがあります。つまり、「良い人」に自分を落ち着けていることが、コミュニケーションをする上での妥協に繋がっていませんか?という問いなのです。だから、「良い人」でいるくらいなら、いっそ悪人になって自分への甘さと言い訳を捨てちまいなさい、と言っています。
 考え方は人それぞれですが、自分が「良い人だ」と思い込んでいた一部読者にとって、これは強烈なパンチです。

 実際に、女性とのコミュニケーションが取れるようになったらいよいよ次のステップ。「好きな女を口説く」ためにはどうするか!
 「心のコップ」というキーワードを元に、後藤さんならではの女性の心理学が展開します。
 相手の心のコップが伏せられている状態。ここに水を入れるためにはあなたはどうするべきなのか。
 そのためには「コップを裏返すこと」と「コップに水を注ぐこと」が必要になってきます。女性はコップの「裏返され方」にどんな方法を求めているのか、どのタイミングを求めているのか。注意深く相手を見ることと、自分の気持ちを客観視できる冷静さ。相手との呼吸をあわせる間合い。それぞれに対し、その重要性を経験から述べて、やはり実践を促しています。

 この本の面白いところは、結論を急がず、読者に実感からの理解を求めている点です。
 そして、恋愛本とは名ばかりで、実はコミュニケーションの本質を考え、実践するための教養本となっているところ。読み進めていくうちに、この本の持つ含蓄深さと、味わい深さに唸ってしまいました。

 さて、実際に僕も実践してみました。
 「心のコップ」を意識して、一番好きな子の「コップを裏返してみよう」と話しかけてみたのです。
 結果は・・・残念無念なものでした(泣)

 理解するのは簡単ですが、習得するのはやはり難しそうです。
 でも、「コップ」を意識した方が、会話は俄然楽しめます。
 相手のコップをうまく裏返し、綺麗にビールをついで、気持ちよくなってもらう。この一連の動作は、ぜひ身に付けたいですよね。どうしたら楽しく会話ができるのか、悩む人はぜひ読んで、実践してみてください。
2008-03-19 16:42 | カテゴリ:レビュー(エッセイ)
風の名前

表現方法を広めようと思って手を出した一冊。
春・夏・秋・冬と、季節ごとに風の名前を分類してくれている。
僕はノートを用意して、「面白い」と思った風の名前を書き写しながら読んでみた。
 
 まず驚いたのが、名前の多さだ。
「春」分類のものだけで、僕が知ってる風にまつわる言葉の語彙をはるかに上回っていた。
以下、僕の知らなかったものをいくつか紹介する。
「吹花擘柳」・・・花をそっと吹き開かせ、また柳の芽を咲き分けるようにそっと吹く春風。すいかはくりゅう。
「薫風」・・・若葉の間を吹き抜けて、初夏の香りを運ぶ南風。くんぷう。
「鷹風」・・・雲を凌ぐほど、天高く勇壮に飛ぶ鷹を秋風が乗せるところからきた。ようふう。
「雪颪」・・・雪を交えて山から吹き降ろす風。ゆきおろし。


 読んでいて気づいたことは、これら「風の名前」が風だけでなく、風の吹く場所そのものを描写していることだ。「光風」は春の白い光の中をそよぐ風だし、「色なき風」は秋の物寂しい場所に吹く冷たい風だ。
 風を感じて名前つけようとした時、それは風というよりその場所・その時間を名付けることになるのかもしれない。その地方にしか存在しない風の名前も沢山出てきた。

 
 その風の持つ情景や匂い、名づけた人の心情に、思いを馳せながら読んだ。
 それぞれの名前が持つイメージにくすぐられて、ふと星野道夫さんのエッセイにあった一節を思い出した。
 「風は、地球上で最も軟らかい『化石』なのだ」 星野さんが何度も引用していた言葉だ。
 そうかもしれない。
 
 もし素敵な「風」と出会ったら、その姿や匂いを感じてみたい。
 その時今日覚えた風の名前を思い出せたら、ちょっと嬉しい。
2008-03-19 15:54 | カテゴリ:レビュー(エッセイ)
自然の教科書―ネイティブ・アメリカンのものの見方と考え方
 スタン・パディラ編・画
 北山耕平訳

 ネイティブ・アメリカンのエルダー(長老)や偉人達の言葉を編約した作品。
 余白の多い1ページに、人生を一つ凝縮したような言葉が紡がれる。

 生活の知恵や食べ物・衣服などの恩恵を自然から受ける。その実感が伝わってくる。
 嘆きや怒り、感謝や畏敬の言葉一つ一つが、深い。
 
 彼ら先代のネイティブ・アメリカン達が子供達に語り残そうとした言葉の数々。
 これから何度でも、耳を傾けてみたい。
2008-03-17 23:58 | カテゴリ:レビュー(小説)
気取らず、笑って暮らしたいだけなのに――(本文より)

作品名:家なき鳥、星をこえるプラネテス

 作者は常盤陽さん。原作は幸村誠さん。モーニング連載の漫画「プラネテス」の番外編である。
 「プラネテス」は宇宙開発の盛んな21世紀後半、宇宙に浮かぶゴミ"デブリ"が社会的問題として認知されるようになった時代の物語だ。
 主人公はハチマキでもタナベでもない。なんと、ハキムだ。

 ハキムが何故、木星往還船フォン・ブラウン号に爆破テロを仕掛けたのか。
物語はハキムの成長を描き、彼が宇宙飛行士を夢見る少年から、世界を憎むテロリストへと変貌していく過程を鮮やかに映し出す。

 ハキムの純粋な宇宙への夢が、軍隊に入り生活していく中で少しずつぶれていく。周囲の欲望や傲慢さの中で、自分自身を見失い、やがてすべてに絶望していくハキム。緻密な世界観と豊富な軍事専門知識の中に織り込まれた、ハキムの心理変化こそ、この作品の白眉である。
 また、ハキムだけでなく彼を取り巻く多くの登場人物にその都度スポットライトを当てて、心情を照らす。
 その描写は、登場人物一人一人に対して誠実に向き合っているような・・・そんな、作者の人間性が出ている気がした。

 作品としての完成度は、さほど高いとはいえない。テロに至るまでの展開や動機にやや疑問が残り、中盤までの盛り上がりを、重要なテロのシーン、その後のエピローグまで繋ぎきれなかったからだ。
 しかし、素晴らしい作品であることに変わりはない。砂漠に住めない鳥アジサシに自分を重ねて涙するハキムの姿には、一読の価値が十二分にある。
 
 資本主義に塗れた、私利私欲がひしめき合う世界。物語の時間は約2080年頃だが、2008年とどれだけの差があるのだろう。
 幸せに生きるための答えや結論など、示されてはいない。けれど誠実に生きたいと願いながら道を踏み外した男の生き様が、作者のまっすぐな言葉で紡がれている。ぜひ、手にとって欲しい一作だ。
2008-03-17 20:43 | カテゴリ:雑記
ジャンル:アニメ・コミック テーマ:感想
今日からレビューを再開しようと思います。

ただ、レビューとしての出来栄えはあまり意識しないで、感想文的なものを毎日綴っていくことを目標にしたいです。
とにかく、色々なジャンルの本と出会っていくこと、数多く読むことを春の目標に頑張ろうと思いますb
過去読んだ本のまとめ、というよりも現在進行形で新しい価値観に出会っていけるよう、読書習慣を新しくしたいと思います。

目標は一週間に3冊、1ヶ月継続です!
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